アニメ化・実写化の候補を読者データで推薦 コミチ、マンガメトリクス®で映像業界向け「IP推薦レポート」を開始

株式会社コミチ(本社:東京都千代田区、代表取締役:萬田大作)は2026年11月2日、「IP推薦レポート」の提供を始めました。マンガ作品を横断的に分析し、アニメ化・実写化の候補をテレビ局やアニメ製作会社などに推薦するサービスです。評価には、同社が運営するWebマンガ媒体の読者データを使います。あわせて、株式会社Catalyst・Data・Partnersの書店POSデータベース「CANTERA(カンテラ)」と連携し、紙の単行本の実売データも用います。さらに、TVS REGZA株式会社との協業も発表しました。テレビの視聴データとマンガの原作データを組み合わせ、連載から放映後まで一貫して見られるデータの提供を目指すものです。

映像化候補選びの「見えにくさ」に着目
アニメや実写の原作として、マンガは映像業界に欠かせない存在になっています。ただ、どの作品を映像化の候補にするかは、担当者の経験や限られた販売データに頼る部分が大きいのが現状です。候補を絞り込んだあとも「この作品で進めてよいか」を決めきれない場面が少なくないといいます。連載中の作品がどれほど熱心に読まれているか、紙の単行本がどれほど根強く買われているかは、出版社の外からは見えにくい情報です。
コミチは「マンガを世界に知らしめる」をミッションに掲げ、30以上の出版社・メディアのWebマンガ雑誌の運営とデータ分析に取り組んできました。その知見を活かし、読者の支持を映像化判断の客観的な材料として映像業界に届けます。

2つのスコアで作品を評価、実数は外部に出さない設計
評価には2つのスコアを使います。1つは、Webマンガ媒体での作品ごとの閲覧数や読み返しの傾向などを集計した「読者熱量スコア」です。もう1つは、CANTERAの書店実売データにもとづく「コア読者スコア」です。映像業界側に提供されるのは、次の情報です。
- 作品名
- 各スコア(平均50の偏差値)
- 推薦順位
- 推薦の根拠
Web媒体の閲覧UU・課金額や、紙の単行本の売上金額・販売冊数といった実数は、外部に提供しません。扱うのは作品ごとに集計した統計データです。読者一人ひとりの閲覧履歴や個人を特定できる情報を、映像業界を含む外部に提供することはないとしています。
アニメ化された原作211作を検証
推薦に有効な指標を選ぶため、Web雑誌データ、電子書店の売上、紙の書店POS、テレビの視聴データ、アニメ化作品のリストなどを作品単位で比較・検証しました。アニメ化された原作211作を調べたところ、放映後に原作が大きく伸びた作品は全体の13%(28作)でした。一方、放映前の紙の実績と注目度がともに高い作品では、その割合が33%(46作中15作)でした。これは同社による遡及分析で、2017〜2026年に初めてTVアニメ化された作品が対象です。
分析手法の基盤は、特許を取得した「マンガメトリクス®」(特許第7756991号)です。IP推薦のシステムについても、追加で特許を出願中です。

TVS REGZAと「連載から放映後まで」をつなぐデータへ
コミチはTVS REGZA株式会社と、テレビの視聴データと原作データを組み合わせる検証を進めてきました。その結果、テレビでの「観られ方」と、放映後の原作の伸びに関係があることを確認しています。「観られ方」とは、同じ回を繰り返し観た度合いや、放映中に視聴者がどれだけ保たれたかを指します。両社のデータを合わせることで、連載中の読者の熱量、放映中の視聴、放映後の原作の反応までを、同じ作品で一貫して追えるようになります。今後はアニメ・実写の製作に関わる人々に向けて、企画の評価や宣伝の設計、2期・二次展開の判断に使えるデータの提供を目指します。
使用する視聴データは、全国500万サンプル越えのビッグデータです。再生視聴・予約情報や、性・年代が把握できる情報を含みます。ユーザから市場調査用途への利用の同意を得ており、個人を特定する情報は含まれません。データの組み合わせも作品単位で行い、マンガの読者とテレビの視聴者を個人として結びつけることはないとしています。
IP推薦レポートの提供先は、テレビ局、アニメ製作会社、配信プラットフォーム、製作委員会への出資を検討する企業などです。なおコミチは同日、全国15〜69歳の3,000人を対象とした「マンガ意識調査2026」の結果も公開しました。この調査は毎年続けていく予定の定点調査で、IP推薦レポートとは別に実施しているものです。
出典:株式会社コミチ


